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針山さん! お忙しい中ありがとうございました! あんた再考だぜ! あ、いや…サイコ! ではなく! 最高っすよ!
再登場を果たした宿木都子もいかんなくその変態ぶり(汗)を見せてくれています!
そして今回、ついにチグハグの双子の正体が明らかになります!
ではではみなさんお待ちかね!
こころソード011!!
再登場を果たした宿木都子もいかんなくその変態ぶり(汗)を見せてくれています!
そして今回、ついにチグハグの双子の正体が明らかになります!
ではではみなさんお待ちかね!
こころソード011!!
「美少女だ!」
宿木都子は、宿木先輩はお茶を配り終えるとそうそう、そんな事を言い出した。相変わらず巫女服という素晴らしい恰好で、ポニーテールを大きな鈴で止めている。毎回思うのだが、邪魔じゃないのだろうか、あの鈴は…?
「美少女が二人もいる!!」
先輩は嬉々とした笑みを浮かべながら、深空ちゃんと高海ちゃんを見てはしゃぐ。あの時以来会っていなかったが、どうやら美少女好きは相変わらずのようだ。そういえばあの時も八九寺を見て興奮していたな…幼女趣味疑惑が上がる。それとも三人のうちの誰かの趣味なのだろうか?
いや、それよりも…。
「あの、宿木先輩。まだ詳しい事情は先輩に話してないですけど…」
「阿々木こそどうしたというんだ? 美少女が、しかもまったく同じ顔の美少女が二人もいるというのに? どうしてそんなに落ち着いていられるんだっ!」
「あんた何処から聞いてたんだ!? そもそも美少女って、僕は別に宿木先輩と違って美少女だからって騒がないですよ」
「その落ち着いた態度…もう攻略済みというわけ、か…。くっ、本来なら阿木に頭を下げるなど屈辱の何物でもない、が! 私は美少女の為なら何でもしよう! 教えてくれ木! どんな選択肢を選んだ! この通りだ!」
そう言うと宿木先輩は、ゴンッ、と強く額を畳に打ちつけ、長いポニーテールをぴょんぴょん揺らし、リーンと宿木先輩が髪留めに使っている鈴を綺麗に鳴り響かし、それはもう見事な、見事すぎる土下座をした。これが土下座の見本です、という感じの。
畳に額がつくほどに深々と頭を下げた深空ちゃんと高海ちゃんと比べると、宿木先輩は畳をぶち破るが如くの勢いだった。
「や、宿木先輩…」
土下座って…そこまでして美少女をものにしたいのかこの人は!?
僕は名前が段々減っている事を突っ込もうと思っていたが、宿木先輩の鬼気とした迫力に突っ込む間を失ってしまった。
僕が言葉を失って呆然としていると、羽川が怪訝そうに聞く。
「あ、阿々木君。そういえばこの人…まだ紹介されてもらってないけど」
そういえばあの時は戦場ヶ原も羽川もいなかったから、僕以外誰も知らないのか。いや、そのまま知り合わなかった方がよかったのかもしれない。けどまぁこうして出会って(出会い?)しまったからには、紹介しないわけにはいくまい。
「ああ、中学時代の先輩で…って羽川、今お前…」
さり気なくボケた羽川に今度こそ突っ込もうとした時。
「む!」
宿木先輩はガバッと顔を上げた。
そしてまっすぐ羽川を見る。
じっくりねっとり。まるで酔っぱらったオヤジのように、遠慮なく謙遜なく恥じらいなく羽川を舐めまわすように見つめると、何を思ったのか、突然、宿木先輩は立ち上がり、羽川へ突進した。
そして――
「ぐわし!」
「ひゃっ!?」
突然の事に、その場にいた全員が固まった。
深空ちゃんと高海ちゃんも、そして羽川も、だ。
そして、
「やはり、おおきぐはぁ!?」
「本っっっ当に! 何をしてるんですか!!」
こともあろうに、宿木先輩は羽川の胸を掴んだ。完璧に完全に釈明ができないというか釈明する気はさらさらなさそうだが、胸を掴みそれだけでは飽きたらず僕が宿木先輩を殴るまでの刹那の間に揉んでいたように見えた。
実際にこう女子と女子同士が絡む光景を見るというのは、その、教育上よろしくないというかこれくらいのレベルならまだテレビ放映も問題じゃないと思うのだけれどどうだろう?
僕も神原で慣れているとはいえ、神原も百合という属性を備え言動に出してはいるが、実行に移すあたり宿木先輩は神原より性質が悪い。
掴まれた羽川はというと、一瞬何があったのか理解していないようで、次に顔を真っ赤にして胸を隠した。
「あっ、ちょ、ブラが…」
何が起こったのか解らないが、激しく狼狽して必死に胸を押さえつける羽川。ちょっとごめんと矢継ぎ早に言うと、胸を押さえたまま部屋から出ていってしまった。
「ふふふ、私の手にかかればあんな防具外す事など造作もない」
誰か警察を呼んでくれ! むしろ僕が呼ぶ!
僕が携帯を取り出し117と番号を打ったのを見て、ようやく先輩も落ち着きを取り戻した。ちなみに117は時報だ。
「それで、先輩は一体何が解っているというのですか?」
まだ何も説明していない。美少女を見て胸を揉む言い訳の為にあんな事を言ったわけじゃあるまい。…先輩ならありそうだが、僕は先輩を信じている。
先輩もこれ以上暴走しては話が進まないと解ってくれたのか、深空ちゃんと高海ちゃんから視線を放し僕を見る。深空ちゃんと高海ちゃんも横やりを入れず、黙って大人しく成り行きを見守っている。恐らく下手に関わると面倒だと気付いたのだろう。出来れば僕も今のように忙しいときは関わりたくない。いい人なんだけどな。本当、いい人なんだけどな。
「いや何、また阿良々木が首を突っ込んでいるんだろう?」
「首を突っ込んでるって…あいつらじゃないんですから、僕は自分から進んで変な事に首を突っ込んだりしませんよ」
「お前の妹の事か?」
先輩と僕の妹達は交流があるらしい。それが今もあるというのは素直に驚きだが、あいつらはあいつらのやりたい事と、先輩の行ってきたことに通じるものがある感じているんだろう。
僕が中学の時、宿木先輩の片腕として扱き使われていた時、あいつらもよく先輩の武勇伝に憧れて、僕たちの後ろをついて回っていた。
あいつらから見れば、先輩は『正義』に見えたのだろう。
『正義』なんかじゃないのに。
あいつらは『偽物』ではあるけど、先輩は『正義』でもないのに。
怪異に、『正義』も『悪』もないというのに。
「『正義』ごっこですよ」
「まあそうだな。可愛いけどな。さすが、阿良々木の妹だな。可愛いけどな」
もしかしたら、すでに僕の妹達は宿木先輩の毒牙にかかっているかもしれないという不安がわき出てきた。まさかそんな、先輩。ねえ? 信じてますよ?
「僕とあいつらは全然違いますよ。それこそ、兄妹と思えないくらい」
「そうか? 私は凄く似てると思うぞ。『正義』なんて言葉にしてるが、お前も似たような事をやってきたんじゃないのか? たとえば――今の状況、みたいにな」
今の、状況。
それは、何を指しているのだろう。
宿木先輩は、僕に何を言いたいのだろう。
「お前は、何がしたいんだ?」
それは――
見てきたような言い方。
全部知っているような言い方。
前から知っていたような言い方。
だからこそ宿木先輩で、それでこそ宿木先輩らしい質問。
その質問は、簡単で簡潔で簡素で簡易で、まるでそのままの意味しかないのだけれど。
それは、それは、核心に中心に迫る、質問だった。
けれど、僕がこの時思った事は、宿木先輩の言葉でなく。
ましてや今僕の周りにいる他の誰の言葉でもなかった。
軽薄で、皮肉屋で、悪趣味で、意地悪で、不遜で、お調子者で、性悪で、不真面目で小芝居好きで、気まぐれで、わがままで、嘘つきで、不正直な、もうどこにいるかも解らない、ふらりと現れふらりと消えた、いつもアロハ服を着てまるでヒーローには似つかわしくない、けれどどこまでも優しい、忍野メメの言葉を。
僕は、僕は思い出す。
決して最初から最後まで、助ける事をしなかった専門家。
被害者だと勘違いしそうになる僕を、戒めた忍野。
どちらが被害者で、どちらが加害者か。
先輩が、言う。
「阿良々木。お前は関係ないんじゃないのか?」
畳みかける様に、言う。
「お前はお前がやらなければいけない事、やらなくていい事までやったんじゃないのか? お前はすでに幕の下にいなきゃならない、主役と主役が幕を下ろすのをただただ待つだけの身じゃないのか? これ以上、お前は何をして何をやり何をするんだ?」
関係ない。
先輩は、僕に言う。
「要は、そこの美少女ちゃん達の問題じゃないのかい?」
顎で双子を指す先輩。
「それか」
続けて、先輩は僕を見た。
否、正確には、僕の足元を。
「そいつの問題だろ?」
キスショット。
「先輩は」
僕は、何を言っていいのか解らなくて、それでも何か言葉にしないといけないような気がして、とりとめのない事を口にした。
「先輩は、何でも知ってるんですね」
「おうよ」
先輩は、あの頃のような、中学の時と変わらない唯我独尊の如く、笑った。
「私に解らない事は、何一つない」
変わらずに、いた。
「ああそうそう」
先輩は立ち上がり飾ってある物々しい刀を取った。
「恐らく、これがお前らの言う『心渡』だろう」
「………は?」
確かに、先輩が持っている刀はキスショットが持っていた刀と似ていた。
僕に刀の知識がないからどれも同じように見えるのかもしれないが、それは、あまりにも都合がよすぎる。
「えっと、先輩? それは…」
「まぁ待て。この刀の説明は後でする。それよりも」
先輩はまた上座に座る。
改まって、話をするように。
大事な、話をするかのように。
「怪異退治の専門家、ブラック・サリナとホワイト・リリィについてだが」
宿木先輩は、今まで見たことない真面目な顔で、僕に言った。
「絶対に関わるな」
「か、関わるなって…」
ここまで関わってしまって、どうしてそんな事が言えるのだろう。
もう、後には引けないところにいるのに。
「阿良々木。お前はこちらの業界について疎いから知らないかもしれないが」
先輩は珍しく茶々を一切入れないで、真面目に話を続ける。
だからこそ、危険だと思い知らされる。
宿木先輩にして、危険視する存在だと。
「あの双子は危険だ。あいつらは親の敵だとか、使命だとか、そんな事で怪異退治の専門家をやっているわけじゃない。あいつらは、合法的に殺人を楽しむ為にだけに、己の愉悦と快楽の為だけに、なったような奴らだ」
殺人。
それは、怪異と繋がるようで、怪異退治の専門家とは、繋がらない。
「あいつらは、怪異に関わった人間を危険な存在だと、また新たに怪異を呼ぶ存在だと定義して、世界に平和と『正義』の為に殺す」
無茶苦茶な理論だった。
怪異に関わった者は、怪異に逢いやすい。
どこかで聞いたような話だけど、それを阻止する為に、殺す。
「あいつらが今まで怪異を退治するのをしくじった事はあるが、あいつらに関わって殺されなかった人間はいない」
だから、だから先輩は聞いたのだろうか。
関係、ないと。
関係が切れる今なら、間に合うと。
「虐殺の灰色姉妹」
先輩は、そう言った。
「奴らは、人殺しをする為に、怪異を追う」
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COMMENT : NA・ZE・DA!?
おかしいです! 日原さんのが届きませんです! 何故だ!? 12月31日のメールはちゃんと届いているのに
もう一度だけ挑戦を! ここにアドレスを書いておきましたので!
もしだめな場合はケータイに!
お手数ですがよろしくお願いします!
もう一度だけ挑戦を! ここにアドレスを書いておきましたので!
もしだめな場合はケータイに!
お手数ですがよろしくお願いします!