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選択を強いられた我らが暦くん!
生かすか殺すか! 生殺与奪はどうなることか!
デッドエンドルートまっしぐらの選択は、選ばれるのか――!
ではではいってみましょーぜ。
『こころソード008』!!
生かすか殺すか! 生殺与奪はどうなることか!
デッドエンドルートまっしぐらの選択は、選ばれるのか――!
ではではいってみましょーぜ。
『こころソード008』!!
キスショットは二つの選択肢を出した。
一つは双子を助け、僕が死ぬかもしれない状況。
もう一つは双子を見捨て、僕が助かる道。
こんなもの、選択肢と掲げるだけでも馬鹿らしい。取るべき道は一つだ。
だ、が。
双子は、殺し屋。嘘か本当か解らないが、キスショットが見た限り、双子は殺し屋らしい。なら、もしここでこの双子を助けるのが普通で当たり前な最善な事だと、言えるだろうか。
もしここで、僕が双子を助けなければ助かる命があるかもしれない。
どこかで戯言ばかり言ってる大学生が、危険な目に合わずにすむかもしれない。
「従僕、わしは意地悪でこんなことを言ってるのではない」
キスショットは優しい、甘い声で言う。
そうだ、キスショットは意地悪で僕にこんなことを選ばせているのではないのだろう。キスショットは、純粋に、悪意でもって聞いている。
「ただわしは…」
「凄い音がしたけど、どうしたの?」
キスショットの言葉を遮って、羽川がひょっこりと廊下の方から出てきた。そういえば羽川も一緒に居たんだった。双子の登場やキスショットの復活で忘れてた。
「…え?」
羽川がキスショットを見て固まった。それは、そうだろう。もう元の姿には戻らないと思っていたキスショットが、突然目の前に現れたんだ。ランジェリーショップで双子の女の子に変態と言われる次くらいに驚愕だろう。
「ふむ、久しぶりじゃな非常食」
キスショットはニヤリと笑って羽川を見た。
非常食。その言葉に、僕は戦慄する。キスショットが恨んでいるのは、果たして僕だけだろうか?
あの時、僕は羽川の言葉がなければ止めなかったかもしれない。血を、吸うのを。僕にとって命の恩人である羽川だが、キスショットにとっては、憎むべき存在、なのかもしれない。
「今取り込み中じゃ、後にしてくれんかの」
「いや、でも…あ!」
羽川が気づいた。倒れている双子に。羽川は走って双子の近くまでいくと、容態を見る。双子の息は、もう、すでに、小さくなりすぎて、聞こえないほどだった。
「何してるの阿良々木君! 救急車呼ばないと!」
その常識的な反応に、僕は戸惑った。戸惑って話す。キスショットの話を。双子が殺し屋だと。今さっき、起きたことを。
僕は羽川に話すことによって、何か答えを求めていたのかもしれない。このある意味完全無欠の委員長の中の委員長なら、僕では考え付かないような答えを教えてくれるのではないかと。
けれど、羽川は聞いてきた。僕に。
「じゃあ、どうするの?」
「え?」
「どうせ阿良々木君は私が何を言っても、決めているんでしょう?」
羽川。ああそうだ。僕は、僕はなんて無駄なことをしていたんだ。悩んでも仕方ない。悩む必要なんてない。僕は、今までの僕を否定する事なんて、出来ないのだから。
「キスショット」
僕はキスショットに向かって言う。キスショットは腕を組みその豊満な胸を押し上げて意地の悪そうな笑みを浮かべていた。
「こいつらを助けてくれ」
キスショットの笑みが濃くなる。予想通りというような、初めから解っていた言葉を聞いたという、そんな顔だった。
「よかろう」
あっさりと、もう何も言わずキスショットは笑って、双子を助けた。
こうして完全な姿になったはずのキスショットは、姿だけは大人な、けれども力は僕と同等程度の、吸血鬼となった。
一つは双子を助け、僕が死ぬかもしれない状況。
もう一つは双子を見捨て、僕が助かる道。
こんなもの、選択肢と掲げるだけでも馬鹿らしい。取るべき道は一つだ。
だ、が。
双子は、殺し屋。嘘か本当か解らないが、キスショットが見た限り、双子は殺し屋らしい。なら、もしここでこの双子を助けるのが普通で当たり前な最善な事だと、言えるだろうか。
もしここで、僕が双子を助けなければ助かる命があるかもしれない。
どこかで戯言ばかり言ってる大学生が、危険な目に合わずにすむかもしれない。
「従僕、わしは意地悪でこんなことを言ってるのではない」
キスショットは優しい、甘い声で言う。
そうだ、キスショットは意地悪で僕にこんなことを選ばせているのではないのだろう。キスショットは、純粋に、悪意でもって聞いている。
「ただわしは…」
「凄い音がしたけど、どうしたの?」
キスショットの言葉を遮って、羽川がひょっこりと廊下の方から出てきた。そういえば羽川も一緒に居たんだった。双子の登場やキスショットの復活で忘れてた。
「…え?」
羽川がキスショットを見て固まった。それは、そうだろう。もう元の姿には戻らないと思っていたキスショットが、突然目の前に現れたんだ。ランジェリーショップで双子の女の子に変態と言われる次くらいに驚愕だろう。
「ふむ、久しぶりじゃな非常食」
キスショットはニヤリと笑って羽川を見た。
非常食。その言葉に、僕は戦慄する。キスショットが恨んでいるのは、果たして僕だけだろうか?
あの時、僕は羽川の言葉がなければ止めなかったかもしれない。血を、吸うのを。僕にとって命の恩人である羽川だが、キスショットにとっては、憎むべき存在、なのかもしれない。
「今取り込み中じゃ、後にしてくれんかの」
「いや、でも…あ!」
羽川が気づいた。倒れている双子に。羽川は走って双子の近くまでいくと、容態を見る。双子の息は、もう、すでに、小さくなりすぎて、聞こえないほどだった。
「何してるの阿良々木君! 救急車呼ばないと!」
その常識的な反応に、僕は戸惑った。戸惑って話す。キスショットの話を。双子が殺し屋だと。今さっき、起きたことを。
僕は羽川に話すことによって、何か答えを求めていたのかもしれない。このある意味完全無欠の委員長の中の委員長なら、僕では考え付かないような答えを教えてくれるのではないかと。
けれど、羽川は聞いてきた。僕に。
「じゃあ、どうするの?」
「え?」
「どうせ阿良々木君は私が何を言っても、決めているんでしょう?」
羽川。ああそうだ。僕は、僕はなんて無駄なことをしていたんだ。悩んでも仕方ない。悩む必要なんてない。僕は、今までの僕を否定する事なんて、出来ないのだから。
「キスショット」
僕はキスショットに向かって言う。キスショットは腕を組みその豊満な胸を押し上げて意地の悪そうな笑みを浮かべていた。
「こいつらを助けてくれ」
キスショットの笑みが濃くなる。予想通りというような、初めから解っていた言葉を聞いたという、そんな顔だった。
「よかろう」
あっさりと、もう何も言わずキスショットは笑って、双子を助けた。
こうして完全な姿になったはずのキスショットは、姿だけは大人な、けれども力は僕と同等程度の、吸血鬼となった。
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