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キラーパスをキラーキャッチしちゃったよ針山さん?!
どんなもんかは見てみりゃわかる。
ついに始まる異形バトル! リレー小説加速中!
ではではみなさんおまちかね!
『こころソード005』!!
どんなもんかは見てみりゃわかる。
ついに始まる異形バトル! リレー小説加速中!
ではではみなさんおまちかね!
『こころソード005』!!
そこに倒れていたのは、全く同じ人間。
右側に倒れている彼女は右手から血を流し、
左側に倒れている彼女は左手から血を流し、
それはまるで、左右線対象。
何処までも似ている二人は、血だまりの中、二人仲良く倒れ伏していた。
死んで――はいないようだ。どうやら生きているらしく、しかしそれでも苦しそうに上下する胸が痛々しい。
「おい! 大丈夫か!」
僕は慌てて駆け寄り、とりあえず軽く揺すって起こしてみた。二人とも起きる気配はない。どういうことだろう。こんな、何もない、終ったはずの場所で、一体何が起こったんだろうか。気になるところは沢山あったが、まずは二人を介抱する方が先だ。僕は羽川を呼ぶため切ったばかりの携帯を取り出す、と。
そこに、影が、落ちた。
一瞬、羽川が来てくれたのかと思った。なんて丁度いいタイミングなんだ。さすが羽川、場の空気さえ読んで現れるなんて、本当に何でも知ってるんだな。そんな事を言ったら、またいつもの台詞が返って来るだろうけど。
けれど、その台詞は返ってこない。
僕が聞いてないから、でなく。
落ちた影が、羽川じゃないから、だ。
視界の隅に映る影は、二つ。
「ご機嫌よう」
「うぃーっす」
丁寧に上品に挨拶する可愛い女の子と、適当に乱暴に挨拶する可愛い女の子がいた。
倒れている双子と似たように、顔は双子のようにとても似ているけど、着ている服は二人とも全然違った。丁寧な言葉使いの女の子はお嬢様といった感じの白いワンピース。つばの広い白い帽子を被り、全体的に白が強調されたファッション。対になるもう一人は全身真っ黒で、髑髏といった装飾が沢山身につけられている。
「どなたか存じ上げませんが、私達その二人にお話しがあるのです」
「テメエが誰だか知らねえが、俺達用があるのはそいつらだからよ」
二人は全く同じで全く異なる笑みを浮かべる。
綺麗な笑みで。嫌らしい笑みで。でもその二つの笑みは、吐き気がするくらい、キモチワルイ。
「ですから」
「だからよ」
左右別々に殺すぞ――と、声が揃う。
刹那、二人は僕に向かい一直線に拳と掌を突き出した。
単純が故に最速で、単純が故に絶大。
その速度はとても人間の目では追えない。それこそ、血を吸われた直後の僕くらいしか反応する事はできないだろう。
そう、血を吸われた後の僕くらいしか。
この時、僕はまだ血を吸われていない。否、正しくは今日家に帰ってからにしようと思ったのだ。だから今の僕は、ほんの少しばかり、本当に少しばかり、他の人間よりも性能が上がっているだけで、勿論それでも視力や筋力といったものは高校生以上のものであるのだけれど、そんなもの、目の前の二人には無いにも等しい。
とても目で追えない。
来ると解っていても、身体が反応しない。
それでも少しばかり、身体をズラすことは出来る。
紙一重で避けることは出来るかもしれない。
危険な賭けだけど、何もしないでいるよりは、肩を掠るくらい耐えれば避けられないことはないだろう。
それだけ、僕は人間離れしている。少しくらいの傷を負ったって、死にはしない。死ぬ事が出来ない。
でも、
僕の眼前には、さらに人間離れした、二人がいた。
一つの拳なら紙一重でかわせるかもしれない。けど、まるで追従するかの如く、続くもう一つの掌など、論外だ。
それでも僕は、庇うように両腕で防御しようと身体の前に突き出す。
ここで逃げれば、もしかしたら見逃してもらえるかもしれない。恐らく、というか本人達が用はあるのは倒れている双子だと言っていたのだから。
僕はたまたま偶然にも、ここに居合わせただけなのだから。
だから、だから僕はこの一撃に耐えて逆転の機会を作るために、逃げ出さないために、覚悟する。
そんな僕を嘲るように、左右非対称の二人は、似てないが似ている二人は、拳と掌を繰り出す。
正直な話し、僕には二人が最後に繰り出した動きが全く見えなかった。
あまりにも速過ぎて、すでに目測では知覚出来ない次元。
そして、僕は背中を強く打った。ついでに後頭部も打ち付けて、目の前がチカチカする。いてえ。
するとすぐ、大きなものが壊れる音がした。振り返ってみると、瓦解する壁に向かい、二人の白と黒は拳を突き出したままの状態で固まっていた。
てか簡単に壁を壊すな。なんだその化け物みたいな威力は!? 僕はあんなものを受けようとしていたのか!? あれはまだ神原の時の方が可愛いと思えるぞ!?
塾の壁は崩壊した。けれども僕は背中を床に強か打ち付けて、後頭部を軽く打っただけでどこも怪我一つない。
何が起こったのか。その答えは、僕の足を倒れていながら掴んでいる双子が教えてくれた。
「何を、している、化け物…」
「何を、している、化け物…」
左右線対称の双子は、僕の足を離して、血だらけの身体を億劫そうに持ち上げて左右非対称の双子を見つめる。
「お前達の相手は、僕達だ」
「お前達の相手は、僕達だ」
血だらけの手を突き出し、構えを取る。
僕を一瞥することも無く、僕など眼中に無いとでも言うかのように、左右非対称の双子を睨んで。
左右同時に殺すぞ――と、声が揃う。
それに対し、白と黒の双子も声を揃える。
僕を用済みだと言う様に、僕など邪魔者何だとでも言うかのように、左右線対称の双子を嗤って。
左右別々に殺すぞ――と、声が揃う。
両者が両者とも、絶対の一撃を放つ為に呼吸を整え、何を合図にしたのか、全くの同時に動いた。
そして、勝敗は決した。
地に伏しているのは―――両者の双子。
両者の立ち位置が変わっただけで、どちらとも、何が起こったのか解らないという表情を浮かべていた。
それはそうだろう、端から見ていた僕でさえ、最初何が起こったのか解らなかったのだから。
ただそれは、僕の影から突如湧くように出現し、無言で倒れ伏している双子と双子の間に立っていた。
「…………」
僕が知る中で最も気高き強さを持つ、最強の怪異。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは、僕をまっすぐ睨んでいた。
右側に倒れている彼女は右手から血を流し、
左側に倒れている彼女は左手から血を流し、
それはまるで、左右線対象。
何処までも似ている二人は、血だまりの中、二人仲良く倒れ伏していた。
死んで――はいないようだ。どうやら生きているらしく、しかしそれでも苦しそうに上下する胸が痛々しい。
「おい! 大丈夫か!」
僕は慌てて駆け寄り、とりあえず軽く揺すって起こしてみた。二人とも起きる気配はない。どういうことだろう。こんな、何もない、終ったはずの場所で、一体何が起こったんだろうか。気になるところは沢山あったが、まずは二人を介抱する方が先だ。僕は羽川を呼ぶため切ったばかりの携帯を取り出す、と。
そこに、影が、落ちた。
一瞬、羽川が来てくれたのかと思った。なんて丁度いいタイミングなんだ。さすが羽川、場の空気さえ読んで現れるなんて、本当に何でも知ってるんだな。そんな事を言ったら、またいつもの台詞が返って来るだろうけど。
けれど、その台詞は返ってこない。
僕が聞いてないから、でなく。
落ちた影が、羽川じゃないから、だ。
視界の隅に映る影は、二つ。
「ご機嫌よう」
「うぃーっす」
丁寧に上品に挨拶する可愛い女の子と、適当に乱暴に挨拶する可愛い女の子がいた。
倒れている双子と似たように、顔は双子のようにとても似ているけど、着ている服は二人とも全然違った。丁寧な言葉使いの女の子はお嬢様といった感じの白いワンピース。つばの広い白い帽子を被り、全体的に白が強調されたファッション。対になるもう一人は全身真っ黒で、髑髏といった装飾が沢山身につけられている。
「どなたか存じ上げませんが、私達その二人にお話しがあるのです」
「テメエが誰だか知らねえが、俺達用があるのはそいつらだからよ」
二人は全く同じで全く異なる笑みを浮かべる。
綺麗な笑みで。嫌らしい笑みで。でもその二つの笑みは、吐き気がするくらい、キモチワルイ。
「ですから」
「だからよ」
左右別々に殺すぞ――と、声が揃う。
刹那、二人は僕に向かい一直線に拳と掌を突き出した。
単純が故に最速で、単純が故に絶大。
その速度はとても人間の目では追えない。それこそ、血を吸われた直後の僕くらいしか反応する事はできないだろう。
そう、血を吸われた後の僕くらいしか。
この時、僕はまだ血を吸われていない。否、正しくは今日家に帰ってからにしようと思ったのだ。だから今の僕は、ほんの少しばかり、本当に少しばかり、他の人間よりも性能が上がっているだけで、勿論それでも視力や筋力といったものは高校生以上のものであるのだけれど、そんなもの、目の前の二人には無いにも等しい。
とても目で追えない。
来ると解っていても、身体が反応しない。
それでも少しばかり、身体をズラすことは出来る。
紙一重で避けることは出来るかもしれない。
危険な賭けだけど、何もしないでいるよりは、肩を掠るくらい耐えれば避けられないことはないだろう。
それだけ、僕は人間離れしている。少しくらいの傷を負ったって、死にはしない。死ぬ事が出来ない。
でも、
僕の眼前には、さらに人間離れした、二人がいた。
一つの拳なら紙一重でかわせるかもしれない。けど、まるで追従するかの如く、続くもう一つの掌など、論外だ。
それでも僕は、庇うように両腕で防御しようと身体の前に突き出す。
ここで逃げれば、もしかしたら見逃してもらえるかもしれない。恐らく、というか本人達が用はあるのは倒れている双子だと言っていたのだから。
僕はたまたま偶然にも、ここに居合わせただけなのだから。
だから、だから僕はこの一撃に耐えて逆転の機会を作るために、逃げ出さないために、覚悟する。
そんな僕を嘲るように、左右非対称の二人は、似てないが似ている二人は、拳と掌を繰り出す。
正直な話し、僕には二人が最後に繰り出した動きが全く見えなかった。
あまりにも速過ぎて、すでに目測では知覚出来ない次元。
そして、僕は背中を強く打った。ついでに後頭部も打ち付けて、目の前がチカチカする。いてえ。
するとすぐ、大きなものが壊れる音がした。振り返ってみると、瓦解する壁に向かい、二人の白と黒は拳を突き出したままの状態で固まっていた。
てか簡単に壁を壊すな。なんだその化け物みたいな威力は!? 僕はあんなものを受けようとしていたのか!? あれはまだ神原の時の方が可愛いと思えるぞ!?
塾の壁は崩壊した。けれども僕は背中を床に強か打ち付けて、後頭部を軽く打っただけでどこも怪我一つない。
何が起こったのか。その答えは、僕の足を倒れていながら掴んでいる双子が教えてくれた。
「何を、している、化け物…」
「何を、している、化け物…」
左右線対称の双子は、僕の足を離して、血だらけの身体を億劫そうに持ち上げて左右非対称の双子を見つめる。
「お前達の相手は、僕達だ」
「お前達の相手は、僕達だ」
血だらけの手を突き出し、構えを取る。
僕を一瞥することも無く、僕など眼中に無いとでも言うかのように、左右非対称の双子を睨んで。
左右同時に殺すぞ――と、声が揃う。
それに対し、白と黒の双子も声を揃える。
僕を用済みだと言う様に、僕など邪魔者何だとでも言うかのように、左右線対称の双子を嗤って。
左右別々に殺すぞ――と、声が揃う。
両者が両者とも、絶対の一撃を放つ為に呼吸を整え、何を合図にしたのか、全くの同時に動いた。
そして、勝敗は決した。
地に伏しているのは―――両者の双子。
両者の立ち位置が変わっただけで、どちらとも、何が起こったのか解らないという表情を浮かべていた。
それはそうだろう、端から見ていた僕でさえ、最初何が起こったのか解らなかったのだから。
ただそれは、僕の影から突如湧くように出現し、無言で倒れ伏している双子と双子の間に立っていた。
「…………」
僕が知る中で最も気高き強さを持つ、最強の怪異。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは、僕をまっすぐ睨んでいた。
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