×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
針山さんの投稿になります。今回の話では≪クビキリ≫からちらっと離れた伏線が登場したりして面白いです。針山さんのセンスに拍手したい!
ってわけで
クビキリ+第7話
≪ここまでの粗筋~
遥奈は玖渚たちとともに事件の捜査を始める。その中で彼女は伊吹かなみの首切り死体に言語化できない違和感を覚える≫
『九段目、針山』
昼食はひかりさんが作ったらしい。
料理の天才の弥生さんは体調不良で部屋で休んでいるらしかった。
「弥生さんに比べたら全然駄目なんですけど、ご容赦を」
照れくさそうに言うと、ひかりさんはダイニングから出て行った。
ってわけで
クビキリ+第7話
≪ここまでの粗筋~
遥奈は玖渚たちとともに事件の捜査を始める。その中で彼女は伊吹かなみの首切り死体に言語化できない違和感を覚える≫
『九段目、針山』
昼食はひかりさんが作ったらしい。
料理の天才の弥生さんは体調不良で部屋で休んでいるらしかった。
「弥生さんに比べたら全然駄目なんですけど、ご容赦を」
照れくさそうに言うと、ひかりさんはダイニングから出て行った。
残されたのはいーちゃんと玖渚さんと真姫さんと、私だけだ。
謙遜していたひかりさんだが、料理は凄く美味しかった。
私もこれぐらい作れたらいいのだけど…
「へい、少年」
真姫さんがいーちゃんに声をかけた。
何故だか知らないが、真姫さんといーちゃんはあまり仲が好くないようだ。
「…じゃ、これから先、この事件がどうなるのか、予言してくださいよ」
いーちゃんがそう言うと、真姫さんは不機嫌そうに「いいよ。ただしお金払うならね」と言って出て行ってしまった。
どうして急に怒ったのだろう?
「うにー。いーちゃん、無神経だよねー」
「何がだよ」
「知りませーん。食べたなら、部屋戻ろうよ。やることもあるんだしさ」
どうやら玖渚さんは理由が解っているみたいだ。
私も理由は解らなかったが、あえて言う必要もないし、黙っておこう。
「ハルちゃんも行こー」
「え。あ、はい」
まさか声をかけられるとは思わなかったので驚いた。
本当に私の事は疑ってないんだな…
私は黙って二人の後に付いていき、玖渚さんの部屋に戻った。
玖渚さんはデジカメのデータをパソコンに移し始めた。
それからもう一台パソコンを立ち上げて、一枚のフロッピーディスクを挿入する。
なんのディスクだろう?
いーちゃんも私と同じ疑問を思ったのか、質問する。
「そのディスクには何が入っているんだ?」
「ツールだよ。勿論僕様ちゃんオリジナル。このワークステーションでしか読めない設定にしてあるからね、落としても大丈夫。さ、さくさく済ませちゃおう」
説明が説明に聞こえないのは私の学習不足だろう。
いーちゃんは今の説明で納得したみたいだし、提督のところに戻ったら、勉 強しなおそうかな。
私は何をやるかさっぱり解らないので、黙って見ていることにした。
「で、どうするんだ?」
「まず僕様ちゃん家のハイスペックマシンにアクセスする。こいつじゃ、どうしても機能がついていかないからね」
「テラなのにか?」
「この場合容量は関係ないんだよ。いーちゃんって本当に何も知らないんだね」
今気づいた。私といーちゃんのパソコンの知識はきっと同じくらいだろう。 私がしたい質問を、代わりにいーちゃんが全部聞いてくれている。
私は本当に黙っているだけで、ここにいる意味はあるのだろうか。
「そこまで言うなよ。お前ほどじゃないにしても、ぼくだって少しは知ってるさ。ヒューストンじゃ、一応電子工学の授業も受けたんだからさ」
「本当かなあ。嘘っぽいよ。昔さ、《このフロッピーディスクをコピーしてきてくれる?》って頼んだら、《任せとけ》って十円持ってコンビニ出かけたじゃない」
前言撤回。
いくら私でも、そんな事はしない。
「それはヒューストンに行く前だよ」
そんな言い訳は通用しないと思う。
玖渚さんはこれから知り合いに連絡をとるらしいし、いーちゃんも出かけるところがあると言って出て行ってしまった。
私もここにいても役に立てないので、また散策に出かける事にした。
まあ前のはただの散歩だったのだが。
玖渚さんにそう伝えると、玖渚さんはいーちゃんの時と同様おぃっす、と敬礼した。
部屋を出ると、いーちゃんの姿は何処にもなかった。
別にいーちゃんを追いかけて出た訳ではないので、私は適当に歩き出す。
目的もないので、ブラブラと散歩気分で歩き回る事にしよう。
そこで、気づく。
殺人者がいるこの屋敷で。
まるで日常の時と同じように。
なんの感慨も持たず。
恐怖するわけでもなく。
勇気があるわけでもなく。
ただ普通に歩くという異常。
ブルーな思考に落ちそうになったので、私は別の事を考える。
無理矢理に。無理矢理に。
まだ一週間も経ってないけど、提督元気にしてるかな。まあ提督が元気じゃない姿を見たことはないが。
提督と玖渚さんは知り合いだけど、いーちゃんの事を提督は知っているのだろうか?
提督は何も言ってくれなかったけど、私はいーちゃんを見たとき何処かで会ったような気がしたが、気のせいだろうか。
なんの根拠もないが、突然そう思ったのだ。
いーちゃんと初めて会った時、雰囲気という何処かで会った気がしてならないのだ。
世界中を旅しているとき、似たような人に会ったのだろうか?
いや、それはない。
いーちゃんは天才でこそないが、あれは特別と言っていいほど普通とは違う。
そしてふと思い出した。
ここに来る為、日本の何処かは忘れたが、色々雑貨を揃えていたとき背の低い男の子に声をかけられた事を。
名前も知らない。
赤の他人
私が彼の横を過ぎようとしたとき、彼は私を見て言ったのだ。
「は、傑作だ」
そして突然、下腹部から音が鳴った。
もうすぐ夕食の時間だ。
弥生さんの体調は大丈夫なのだろうか?
先程までの彼の事は一時忘れる事にして、私は食堂に向かった。
了
『八月七日10段目 癒井唯へ』
謙遜していたひかりさんだが、料理は凄く美味しかった。
私もこれぐらい作れたらいいのだけど…
「へい、少年」
真姫さんがいーちゃんに声をかけた。
何故だか知らないが、真姫さんといーちゃんはあまり仲が好くないようだ。
「…じゃ、これから先、この事件がどうなるのか、予言してくださいよ」
いーちゃんがそう言うと、真姫さんは不機嫌そうに「いいよ。ただしお金払うならね」と言って出て行ってしまった。
どうして急に怒ったのだろう?
「うにー。いーちゃん、無神経だよねー」
「何がだよ」
「知りませーん。食べたなら、部屋戻ろうよ。やることもあるんだしさ」
どうやら玖渚さんは理由が解っているみたいだ。
私も理由は解らなかったが、あえて言う必要もないし、黙っておこう。
「ハルちゃんも行こー」
「え。あ、はい」
まさか声をかけられるとは思わなかったので驚いた。
本当に私の事は疑ってないんだな…
私は黙って二人の後に付いていき、玖渚さんの部屋に戻った。
玖渚さんはデジカメのデータをパソコンに移し始めた。
それからもう一台パソコンを立ち上げて、一枚のフロッピーディスクを挿入する。
なんのディスクだろう?
いーちゃんも私と同じ疑問を思ったのか、質問する。
「そのディスクには何が入っているんだ?」
「ツールだよ。勿論僕様ちゃんオリジナル。このワークステーションでしか読めない設定にしてあるからね、落としても大丈夫。さ、さくさく済ませちゃおう」
説明が説明に聞こえないのは私の学習不足だろう。
いーちゃんは今の説明で納得したみたいだし、提督のところに戻ったら、勉 強しなおそうかな。
私は何をやるかさっぱり解らないので、黙って見ていることにした。
「で、どうするんだ?」
「まず僕様ちゃん家のハイスペックマシンにアクセスする。こいつじゃ、どうしても機能がついていかないからね」
「テラなのにか?」
「この場合容量は関係ないんだよ。いーちゃんって本当に何も知らないんだね」
今気づいた。私といーちゃんのパソコンの知識はきっと同じくらいだろう。 私がしたい質問を、代わりにいーちゃんが全部聞いてくれている。
私は本当に黙っているだけで、ここにいる意味はあるのだろうか。
「そこまで言うなよ。お前ほどじゃないにしても、ぼくだって少しは知ってるさ。ヒューストンじゃ、一応電子工学の授業も受けたんだからさ」
「本当かなあ。嘘っぽいよ。昔さ、《このフロッピーディスクをコピーしてきてくれる?》って頼んだら、《任せとけ》って十円持ってコンビニ出かけたじゃない」
前言撤回。
いくら私でも、そんな事はしない。
「それはヒューストンに行く前だよ」
そんな言い訳は通用しないと思う。
玖渚さんはこれから知り合いに連絡をとるらしいし、いーちゃんも出かけるところがあると言って出て行ってしまった。
私もここにいても役に立てないので、また散策に出かける事にした。
まあ前のはただの散歩だったのだが。
玖渚さんにそう伝えると、玖渚さんはいーちゃんの時と同様おぃっす、と敬礼した。
部屋を出ると、いーちゃんの姿は何処にもなかった。
別にいーちゃんを追いかけて出た訳ではないので、私は適当に歩き出す。
目的もないので、ブラブラと散歩気分で歩き回る事にしよう。
そこで、気づく。
殺人者がいるこの屋敷で。
まるで日常の時と同じように。
なんの感慨も持たず。
恐怖するわけでもなく。
勇気があるわけでもなく。
ただ普通に歩くという異常。
ブルーな思考に落ちそうになったので、私は別の事を考える。
無理矢理に。無理矢理に。
まだ一週間も経ってないけど、提督元気にしてるかな。まあ提督が元気じゃない姿を見たことはないが。
提督と玖渚さんは知り合いだけど、いーちゃんの事を提督は知っているのだろうか?
提督は何も言ってくれなかったけど、私はいーちゃんを見たとき何処かで会ったような気がしたが、気のせいだろうか。
なんの根拠もないが、突然そう思ったのだ。
いーちゃんと初めて会った時、雰囲気という
世界中を旅しているとき、似たような人に会ったのだろうか?
いや、それはない。
いーちゃんは天才でこそないが、あれは特別と言っていいほど普通とは違う。
そしてふと思い出した。
ここに来る為、日本の何処かは忘れたが、色々雑貨を揃えていたとき背の低い男の子に声をかけられた事を。
名前も知らない。
赤の他人
私が彼の横を過ぎようとしたとき、彼は私を見て言ったのだ。
「は、傑作だ」
そして突然、下腹部から音が鳴った。
もうすぐ夕食の時間だ。
弥生さんの体調は大丈夫なのだろうか?
先程までの彼の事は一時忘れる事にして、私は食堂に向かった。
了
『八月七日10段目 癒井唯へ』
PR
この記事にコメントする

COMMENT : 無題
ふふふふふ・・・・・・なんだかぜろりんの気配が漂っていて幸せです。クビシメも楽しみですね!
話は変わって大変申し訳ないのですが・・・・・・実は八月の後半から塾の合宿がありましてどうにかなるかな?と思っていたのですがやはり順番とかぶってしまいそうなので今回は飛ばしていただけないでしょうか?楽しみにしていたのに!残念でなりません・・・・。それではよろしくお願いします
話は変わって大変申し訳ないのですが・・・・・・実は八月の後半から塾の合宿がありましてどうにかなるかな?と思っていたのですがやはり順番とかぶってしまいそうなので今回は飛ばしていただけないでしょうか?楽しみにしていたのに!残念でなりません・・・・。それではよろしくお願いします