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唯さん仕事がメチャ速いです。神速と言っても過言にあらず! しかも面白いです。ついに遥奈がその動きを見せ始めます。本ストーリー見事に一撃を入れる
クビキリ+第8話
《ここまでの粗筋
部屋でワークステーションを用いて調査を始めた玖渚。遥奈は部屋を出て散策をすることにする。彼女の脳裏をよぎったのは、戯言遣いにどこか似た名前も知らない誰かのことだった。
『十段目、癒井唯』
ダイニングルームには大体の顔ぶれはそろっていた。
監禁されている赤音さんと――それから勿論、かなみさんはいないのだけれど。
いーちゃんは先に着いていたけれど、何やら不機嫌そうな感じだった。『出かけるところ』で何かあったのだろうか。
クビキリ+第8話
《ここまでの粗筋
部屋でワークステーションを用いて調査を始めた玖渚。遥奈は部屋を出て散策をすることにする。彼女の脳裏をよぎったのは、戯言遣いにどこか似た名前も知らない誰かのことだった。
『十段目、癒井唯』
ダイニングルームには大体の顔ぶれはそろっていた。
監禁されている赤音さんと――それから勿論、かなみさんはいないのだけれど。
いーちゃんは先に着いていたけれど、何やら不機嫌そうな感じだった。『出かけるところ』で何かあったのだろうか。
それとなく訊ねてみる。
「いーちゃん、気分でも悪いんですか? 眉間に皺が寄ってますけど」
「何でもないよ。ちょっと、庶民とお嬢様の感覚の差って奴に打ちのめされててね」
肩を竦めながらの言葉は、冗談なのかそうでないのかが判断しづらい。イリアさんとの間に何かがあったらしいということは、何となく分かるけれど。
重ねて問おうとしたけれど、彼は私に背を向けて自分の席についてしまった。仕方なく私も椅子に座る。
そして、二人が欠けたテーブルをぐるりと見渡し――
「――て、あれ?」
気が付くと、あかりさんとてる子さんもいなかった。
他の仕事をしているのかとも思ったが、しかしいつも夕食の時間になればメイドさんたちはそろっていたような気がする。
内心で首を捻っていると、代わりというわけではないだろうけれど、いーちゃんがイリアさんにそのことについて訊ねてくれた。
「ああ、あかりとてる子ですか……。あの二人は本土に向かっています」
「ってことは、警察を呼ぶ気になったんですね? イリアさん」「いいえちっともそんなつもりはありません」
即答だった。
「じゃあ、何のために?」
「彼女たちは名探偵を呼びにいきました」
名探偵。
突然飛び出した場違いともいえる単語に、私は勿論いーちゃんも絶句する。
「め――名探偵?」
「ええ。六日後にここを訪れる予定だった新たな『天才』です。その人ならきっと、この事件を解決してくれることは間違いありません」
やけに自信たっぷりに言うイリアさん。
その『名探偵』さんとやらについては、私といーちゃん、それから玖渚さん以外の全員が耳にしているようだった。みんな、そんなに意外そうな表情はしていない。弥生さんはちょっと戸惑った表情をしているが、それだけだ。
「そんなに信用できる人なんですか? その名探偵さんっていうのは」
「はい、それは勿論」満面の笑顔だった。
それ以上何を聞いたところで無意味だと判断したのだろう、いーちゃんはそうですかとだけ応えて口を閉じた。
名探偵さん、か――
どんな人なのだろう。そういえば名前も聞いていないけれど、一度話題が打ち切られた今、話を戻すのも憚られた。
まあいいや、と私は思考を切り替える。今日の夕食は中華だった。当たり前のように美味しい。
食事を終える頃、イリアさんが玖渚さんに、昼間私たちが行っていた現場検証のことについて訊ねた。
「それで、じゃあ、何か分かったのですか? その、密室トリックとか、犯人だとか……」
「僕様ちゃんには全部分かってるよ」
玖渚さんはよく分からないことを言った。
はぐらかそうとしているのかとも思ったがそうでもないらしい。イリアさんにもよく分からなかったらしかった。
「……では、永久咲さんはどうですか? あなたも、玖渚さんと一緒に現場に行っていましたよね?」
「え? あ、はい。まあ……」
いきなりこちらに話題を振られて戸惑ってしまう。慌てて言葉を探す。
「えっと――」
思いついたのは、あの絵に感じた何ともいえない違和感。
あれは、あの絵がとんでもない芸術だから覚えた感覚だったのだろうか?
それからもう一つ、ずっと疑問に思い続けていること――『あれは本当にかなみさんだったのか』。
かなみさんに違いない、間違いなくかなみさんなのだけれど――それでも、そこには厳然たる違和感がある。あれがかなみさんであるという、限りなく真実に近いであろう事実に、納得することが出来ない。
それは、彼女に首がないからとか、そういう理由ではなく――それ以前の問題で。
でも、だったらそれはどういう問題なんだろう?
分からない。このあたりが私の限界らしかった。
「…………」
黙りこんだ私に、イリアさんが怪訝そうな表情を向ける。
「あ――何も、ありません。特に何も気付いたことはありませんでした」
私はそう答える。
最後に、イリアさんは姫菜さんにこれからの展開の予言を頼んだ。
イリアさんが頼んだのに何故かいーちゃんと揉めた真姫さんだったけれど、最終的な彼女の予言は「すぐ終わる」の一言だった。
「すぐ終わる、って……事件がすぐに解決するってことですか?」
「さあねえ……」にんまりと嫌な感じの笑みを浮かべて、私の質問を回避する真姫さん。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。きみはどう思うのかな? 『無自覚の天才』さん」
「え?」
「その『才能』は何を指し示しているのかな、って質問だよ。無自覚であるきみに質問をするってのも無粋かもしれないけど、そこの最高に無粋なおばかさんよりはましな振る舞いだと思うしね」
最高に無粋なおばかさんというのは、いーちゃんのことを指しているのらしかった。
いーちゃんと真姫さんは、相当に仲が悪いらしい。
「えっと……私の『才能』が指し示している、って、どういう……」
「言ったとおりの意味だよ。そうだね――分かりづらいのなら、こう言えばいいかな。きみが今考えていること、思いついたことを、そのまま口に出してみなよ」
「私が、今、考えていること……」
――思いついたこと。
真姫さんの言葉を鸚鵡返しに繰り返す。
何だろう? やっぱり絵のこと? それともあの死体のこと? それとも、それとも――
「――あ?」
不意に頭に浮かんだのは、自分でもよく分からない疑問だった。
あれは本当にかなみさんでしたか、と訊ねたときと同じ感覚。そこに至るまでの流れが分からない――否、そもそも存在しない感じ。
真姫さんに言われたとおり、それをそのまま口に出す。
この屋敷の、そしてこの鴉の濡れ羽島の――主に向けて。
「あなたは――本当に赤神イリアさんですか?」
◇ ◆ ◇
夕食の時間が終わり、それぞれの部屋に帰る道すがら。私はいーちゃんと玖渚さん、それから何故か真姫さんと一緒に歩く。
真姫さんは何やらご満悦らしかった。
「本当に興味深いねえ。面白い面白い、凄く面白い。そこにいる、頭の中どころか全身くまなく何も入ってないような殺人的につまらない男とは大違いの面白さだよ」
そこまで言わなくてもいいと思う。
他人のことながら、いーちゃんが可哀想になった。
それに、こっちは何も面白いことをしているつもりはないのに、そんなに面白がられてもあまり気分がいいものじゃなかった。真姫さんの態度に悪意らしいものが感じられないから、そこまで腹は立たないけれど。
――結局、イリアさんは私の言葉に答えらしい答えは返さなかった。
呆れられたのかもしれないし、気分を害したのかもしれない。無理もないよなあ、とは思う。考えようによっては、とんでもなく失礼な言葉だったんだし。
真姫さんと別れて、そこからは無言で歩く。
私が二人とも別れようとしたところで、玖渚さんが私を呼び止めた。
「あ、ハルちゃん。このあと暇だったら、適当に僕様ちゃんたちの部屋に来てくれない?」
「え? いいですけど……」
「うに。作戦会議ってやつだよ。ね、いーちゃん」
いーちゃんは黙って肩を竦めた。
「えっと、特に予定はないですけど」と言うか、この島に来て以来予定なんてものに縁がない。「じゃあ、適当な時間に行かせてもらいます」
軽く手を振って別れた。そう言えば今夜いーちゃんは玖渚さんと一緒に寝るのかな、とふと思った。
二人の姿が廊下の角を曲がって見えなくなるまで見送る。三人が一人になるまで、一人が独りになるまで待って、そして。
「さて、と――」
私は行動を開始した。
了
『八月八日十一段目、化色涼施へ』
急いで作成させていただきましたー。
みなさんとっても上手いので焦りつつも一杯一杯です(日本語可笑しい)
では、よろしくお願いいたします。
凪夏儀―
涼氏さんから今回は予定のためにパスさせていただくとの連絡がありましたので、次は一周して一段目を飛ばして僕に来ることになるのですが、3段目の高也は今回パスしていたので、次書いてみませんか?
返事を待っています。
「いーちゃん、気分でも悪いんですか? 眉間に皺が寄ってますけど」
「何でもないよ。ちょっと、庶民とお嬢様の感覚の差って奴に打ちのめされててね」
肩を竦めながらの言葉は、冗談なのかそうでないのかが判断しづらい。イリアさんとの間に何かがあったらしいということは、何となく分かるけれど。
重ねて問おうとしたけれど、彼は私に背を向けて自分の席についてしまった。仕方なく私も椅子に座る。
そして、二人が欠けたテーブルをぐるりと見渡し――
「――て、あれ?」
気が付くと、あかりさんとてる子さんもいなかった。
他の仕事をしているのかとも思ったが、しかしいつも夕食の時間になればメイドさんたちはそろっていたような気がする。
内心で首を捻っていると、代わりというわけではないだろうけれど、いーちゃんがイリアさんにそのことについて訊ねてくれた。
「ああ、あかりとてる子ですか……。あの二人は本土に向かっています」
「ってことは、警察を呼ぶ気になったんですね? イリアさん」「いいえちっともそんなつもりはありません」
即答だった。
「じゃあ、何のために?」
「彼女たちは名探偵を呼びにいきました」
名探偵。
突然飛び出した場違いともいえる単語に、私は勿論いーちゃんも絶句する。
「め――名探偵?」
「ええ。六日後にここを訪れる予定だった新たな『天才』です。その人ならきっと、この事件を解決してくれることは間違いありません」
やけに自信たっぷりに言うイリアさん。
その『名探偵』さんとやらについては、私といーちゃん、それから玖渚さん以外の全員が耳にしているようだった。みんな、そんなに意外そうな表情はしていない。弥生さんはちょっと戸惑った表情をしているが、それだけだ。
「そんなに信用できる人なんですか? その名探偵さんっていうのは」
「はい、それは勿論」満面の笑顔だった。
それ以上何を聞いたところで無意味だと判断したのだろう、いーちゃんはそうですかとだけ応えて口を閉じた。
名探偵さん、か――
どんな人なのだろう。そういえば名前も聞いていないけれど、一度話題が打ち切られた今、話を戻すのも憚られた。
まあいいや、と私は思考を切り替える。今日の夕食は中華だった。当たり前のように美味しい。
食事を終える頃、イリアさんが玖渚さんに、昼間私たちが行っていた現場検証のことについて訊ねた。
「それで、じゃあ、何か分かったのですか? その、密室トリックとか、犯人だとか……」
「僕様ちゃんには全部分かってるよ」
玖渚さんはよく分からないことを言った。
はぐらかそうとしているのかとも思ったがそうでもないらしい。イリアさんにもよく分からなかったらしかった。
「……では、永久咲さんはどうですか? あなたも、玖渚さんと一緒に現場に行っていましたよね?」
「え? あ、はい。まあ……」
いきなりこちらに話題を振られて戸惑ってしまう。慌てて言葉を探す。
「えっと――」
思いついたのは、あの絵に感じた何ともいえない違和感。
あれは、あの絵がとんでもない芸術だから覚えた感覚だったのだろうか?
それからもう一つ、ずっと疑問に思い続けていること――『あれは本当にかなみさんだったのか』。
かなみさんに違いない、間違いなくかなみさんなのだけれど――それでも、そこには厳然たる違和感がある。あれがかなみさんであるという、限りなく真実に近いであろう事実に、納得することが出来ない。
それは、彼女に首がないからとか、そういう理由ではなく――それ以前の問題で。
でも、だったらそれはどういう問題なんだろう?
分からない。このあたりが私の限界らしかった。
「…………」
黙りこんだ私に、イリアさんが怪訝そうな表情を向ける。
「あ――何も、ありません。特に何も気付いたことはありませんでした」
私はそう答える。
最後に、イリアさんは姫菜さんにこれからの展開の予言を頼んだ。
イリアさんが頼んだのに何故かいーちゃんと揉めた真姫さんだったけれど、最終的な彼女の予言は「すぐ終わる」の一言だった。
「すぐ終わる、って……事件がすぐに解決するってことですか?」
「さあねえ……」にんまりと嫌な感じの笑みを浮かべて、私の質問を回避する真姫さん。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。きみはどう思うのかな? 『無自覚の天才』さん」
「え?」
「その『才能』は何を指し示しているのかな、って質問だよ。無自覚であるきみに質問をするってのも無粋かもしれないけど、そこの最高に無粋なおばかさんよりはましな振る舞いだと思うしね」
最高に無粋なおばかさんというのは、いーちゃんのことを指しているのらしかった。
いーちゃんと真姫さんは、相当に仲が悪いらしい。
「えっと……私の『才能』が指し示している、って、どういう……」
「言ったとおりの意味だよ。そうだね――分かりづらいのなら、こう言えばいいかな。きみが今考えていること、思いついたことを、そのまま口に出してみなよ」
「私が、今、考えていること……」
――思いついたこと。
真姫さんの言葉を鸚鵡返しに繰り返す。
何だろう? やっぱり絵のこと? それともあの死体のこと? それとも、それとも――
「――あ?」
不意に頭に浮かんだのは、自分でもよく分からない疑問だった。
あれは本当にかなみさんでしたか、と訊ねたときと同じ感覚。そこに至るまでの流れが分からない――否、そもそも存在しない感じ。
真姫さんに言われたとおり、それをそのまま口に出す。
この屋敷の、そしてこの鴉の濡れ羽島の――主に向けて。
「あなたは――本当に赤神イリアさんですか?」
◇ ◆ ◇
夕食の時間が終わり、それぞれの部屋に帰る道すがら。私はいーちゃんと玖渚さん、それから何故か真姫さんと一緒に歩く。
真姫さんは何やらご満悦らしかった。
「本当に興味深いねえ。面白い面白い、凄く面白い。そこにいる、頭の中どころか全身くまなく何も入ってないような殺人的につまらない男とは大違いの面白さだよ」
そこまで言わなくてもいいと思う。
他人のことながら、いーちゃんが可哀想になった。
それに、こっちは何も面白いことをしているつもりはないのに、そんなに面白がられてもあまり気分がいいものじゃなかった。真姫さんの態度に悪意らしいものが感じられないから、そこまで腹は立たないけれど。
――結局、イリアさんは私の言葉に答えらしい答えは返さなかった。
呆れられたのかもしれないし、気分を害したのかもしれない。無理もないよなあ、とは思う。考えようによっては、とんでもなく失礼な言葉だったんだし。
真姫さんと別れて、そこからは無言で歩く。
私が二人とも別れようとしたところで、玖渚さんが私を呼び止めた。
「あ、ハルちゃん。このあと暇だったら、適当に僕様ちゃんたちの部屋に来てくれない?」
「え? いいですけど……」
「うに。作戦会議ってやつだよ。ね、いーちゃん」
いーちゃんは黙って肩を竦めた。
「えっと、特に予定はないですけど」と言うか、この島に来て以来予定なんてものに縁がない。「じゃあ、適当な時間に行かせてもらいます」
軽く手を振って別れた。そう言えば今夜いーちゃんは玖渚さんと一緒に寝るのかな、とふと思った。
二人の姿が廊下の角を曲がって見えなくなるまで見送る。三人が一人になるまで、一人が独りになるまで待って、そして。
「さて、と――」
私は行動を開始した。
了
『八月八日十一段目、化色涼施へ』
急いで作成させていただきましたー。
みなさんとっても上手いので焦りつつも一杯一杯です(日本語可笑しい)
では、よろしくお願いいたします。
凪夏儀―
涼氏さんから今回は予定のためにパスさせていただくとの連絡がありましたので、次は一周して一段目を飛ばして僕に来ることになるのですが、3段目の高也は今回パスしていたので、次書いてみませんか?
返事を待っています。
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