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針山さんから続編届きましたので載せます。

針山さん、お疲れ様でしたっ! 宿木都子のキャラクターは針山さん任せだったのでナイスに出来上がってくれて嬉しいです。いませんでしたね、こういう純粋にアホなお姉さんはキャラは。

さてさて続編を書いてくれるお仲間を募集しております。
しばらく待っていなさそうな場合は僕が続きを書くので。

ではではっ! 

みやこフォックス003!

003


「お久しぶりです。都子先輩」
「おう。ところでお前、さっきから一人で何やってんだ?」
 一人?
 ふと隣を見てみたら、いつの間にか八九寺はいなくなっていた。
 いつもながら早い身のこなしだ。
 人見知りの八九寺。
 かっこ悪い二つ名だった。
 あれ、そういえば…
「先輩、八九寺ってどういう意味か、知ってますか?」
「あん?阿良々木はそんな事も知らないのか?学校でも習う事だぞ」
「いやちょっと、度忘れしちゃって…先輩なら知ってるかと思いまして」
 やはり神社に住んでいるだけあって、ある程度そういう事知っているのだろうか。

 そう、アロハ服を着たおっさんくらいには。
 アロハ服のおっさんと、都子先輩を比べるのは失礼かもしれないけど。
 でもまあ、都子先輩は巫女服を着ているのだ。
 巫女服は伊達じゃない。

 というか巫女服が普段着なんだろうかという質問をしてはいけない。
 巫女服はそういう質問をしてはいけない代物だ。
 いや、決して僕が巫女服好きというわけでなくて。
「しょうがない奴だな」
 先輩は呆れた風に腰に手を当て、嘆息する。
 そのさいに、長いポニーテールが揺れ、鈴がカラン、と鳴った。
 一つ一つの仕草がかっこよく、様になっている。
 こういう所も、全然変わってない。
「全く、一時は私の片腕と言われ一緒に戦った男がそれじゃ困るぞ」
「いや主に雑用を押し付けられた記憶しかないんですけど…。それよりも僕は一体何と戦ったんだ?」
「愛と平和と」
「悪役じゃん!?」
 僕は悪の生徒会長の片腕だったらしい。
「でもまあ阿良々木。本当に知らないのか?普通に常識というかそんな事も知らないでよく今まで生きてきたな」
「えっと、すみません…」
 やっぱり戦場ヶ原が言う様に、僕が浅学非才なだけだろうか…。
「八九は72だろ」
「九九じゃねえ!!」
 都子先輩はきょとんとした様子で、僕に聞いてきた。
「え?いやだって、阿良々木が聞いてきたんじゃないか」
「いやそうですけど…そうじゃなくて…」
 もしかして、本当に知らないのか?
「先輩、鳥居の由来ってなんだか知ってますか?」
「おいおい、阿良々木。私を馬鹿にしてるのか?私の格好見てその質問をするのか? 巫女服は伊達じゃないぞ」
「いえ、先輩の実力は解っているんですが」
「神社の地図記号だろう」
「だから違げえよ!!」
 どうやらアロハ服のおっさんよりも知識はないみたいだ。
 知識は、だが。
 実力は、嫌というほど見てきた。
 傍らで。それこそ、片腕と呼ばれるほど近くで。
 たった一年ほど近くにいただけだけど、
 たった一年で十分だった。
 宿木都子という、人物を知るには。
 宿木都子という、実力を知るには。
「先輩、ポニーテール似合ってますね」
「ポニーテール萌えと五月蝿い」
「言ってないそんな事!?」
 いや、ポニーテールは素敵だと思うが。
 都子先輩は僕に見えるように(ポニーテールが)横向きになり、ポニーテールを見せびらかす様に揺らした。
 都子先輩には悪いが、そうやってるとなんだか馬の尻尾みたいに見えてくる…。
「で、お前は何しに来たんだ」
「先輩ならそれくらい、解るでしょう?」
「ふふふ、私のポニーテールを見にきたのだろう」
「それは違う」
「昨日はストレートだったからな、ポニーテール萌えの阿良々木は来ない事は解っていた」
「どんな基準!?」
「阿良々木は昔からポニーテールが好きだったからな。今も彼女にポニーテールを強要して弄んでるんだろ?」
 いや、どんな人間だ…。
 というか弄ばれてるのは僕のような気がする。
 戦場ヶ原を弄べる人間がいたら、至急僕の携帯まで連絡を。
「逆に弄ばれてますよ」
「え?阿良々木、彼女いるの?」
「…知ってて言ったんじゃないですか?」
「いや、阿良々木はクラスで落ちこぼれなのは知ってたけど、彼女なんて出来ないだろうから見もしなかった」
 まるで、

 まるで知ろうと思えば知ることできると言いたげな、口調だった。
 実際、先輩は出来ただろう。
 どうなるか。
 出来るかどうか。
 見たならば。
「何でも知ってるんですね」
「勿論だとも。私は日本海にぽつんと浮かぶ、烏のなんたら島に行った事もあるからな」
「ほほう、何をしにですか?」
「首なし死体を見に」
「本当に何しに行ったんだ!?」
 というかここでその話はいいのだろうか?
 冗談でもちょっとやばい気がしてきた…。
「まあ冗談は置いといてだな」
「最初から解ってましたけどね」
「何でも知ってるんだな、阿良々木は」
「まあ僕も都子先輩の片腕でしたから」
「ほう…私の片腕を名乗るとは、いい度胸だな」
 …さっき、僕の事片腕とかなんとか言ってなかったっけ?
 先輩はニヒルに僕を見下すと、笑いながら言った。
「とりあえず、家に寄ってけよ」
 ニヤリと、また昔と変わらない笑みで。
 昔と変わらない先輩が言う言葉に、僕は黙って付いていく以外の選択肢は持ち合わせていなかった。
 黒い鳥居が立ち並ぶ大樹神社。
 そこに僕は、今一歩、足を踏み入れた。
 住宅街から少し離れた学習塾に住んでいた、アロハ服のおっさんはもういないというのに…。

 あれ?なんだか締まらない?

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