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すいません! カクカクシカジカな理由でサボっていました! そこをみかねた咲織さんが作品を書いてくれたのでレッツ投稿です! 咲織さんありがとうございましたーっ!! ってかほんとにすみません!
なんだかかんだでクビキリ+最終話です。ここまでご協力いただいた方全員にお礼申し上げます。次回作の予定は、一切無しです! 誰か企画してください!
それでは解決編&後日譚の~
クビキリ+22話!!
「まず最初に“伊吹かなみ”さんが殺された事件。これについては、人が一人死んでいるということです」
「殺されたのですから当然でしょう?」
イリアさんのもっともな言葉。
もちろん『殺人事件』には被害者と加害者がいて、人が最低でも一人必ず死ななければならない。
なんだかかんだでクビキリ+最終話です。ここまでご協力いただいた方全員にお礼申し上げます。次回作の予定は、一切無しです! 誰か企画してください!
それでは解決編&後日譚の~
クビキリ+22話!!
「まず最初に“伊吹かなみ”さんが殺された事件。これについては、人が一人死んでいるということです」
「殺されたのですから当然でしょう?」
イリアさんのもっともな言葉。
もちろん『殺人事件』には被害者と加害者がいて、人が最低でも一人必ず死ななければならない。
そうでなければそれは『殺人事件』ではないのだから。
「私たちは大きな見落としをしていました。
殺人事件には、必ず殺された人がいる……それはわたし達の思い込みであり、犯人の狙いでもあったのです」
「……」
本当に、面白い話である。
二人殺されたかのように見せかけておいて、実際に死んだのが一人だけだなんて。
そこまでいえば、イリアさんもわかったらしい。
「リサイクル、ですね」
お嬢様がそんな言葉を知っていたなんて驚きだ。
というのはお金持ちへの差別だろうか。
「正鵠を射ていますね、その言葉は。
まず、クビキリ屍体を一つ用意します。
事件を起こして、それが殺された人そのものであるかのように偽装します。
そして、その死体を回収します。この回収作業の時には、なるべく綺麗な状態で回収することが条件ですね。
次に、その死体を処理します。このときには、自分がその作業を中心的に行い、いつでも使えるようにしなければなりませんね。
最後に事件を起こします。
このときの被害者と認識されるように偽装します。
そうしたら、一つのクビキリ屍体は用無しです。
利点として挙げられること、それは……」
「自分が犯人でないことの証明」
いーちゃんがいう。
まったく、自分は説明を放棄したくせにいいところをかっさらってくんだから。
「誰も、殺された人間が犯人だとは思わないでしょう?
実は生きていた……なんていうのは、ミステリー小説ではよくある話ですが、実際にはあまりないことです。
クリスティーの有名な小説では、この方法がとられていましたが」
最初に、わたしがあげた話。
その辺からもう伏線になっていたのだろうか。
それとも自分の勘が冴え渡っていたということか。
「二つ目の密室で見つかった屍体は、皆さんがご想像の通り、“園山赤音”のものではなく“伊吹かなみ”のものです」
驚きの声は、ない。
ここまで前置きがあれば、この結論は当然のコトだろう。
「共犯が逆木深夜ということは“伊吹かなみ”の殺害された時間についても、問題はないものと思われます。
“伊吹かなみ”が殺されたと思われていた時間に、殺されている必要がないのですから。
地震があった後まで“伊吹かなみ”が生きていたという証明にはなりません。
声を聞いたと思われていた人物が共犯では、それは事実とは認定できないでしょう?」
“伊吹かなみ”が地震の前に死んでいても問題がないことになる。
あのペンキの川がどうできたかなんて問題はない。
あれが人為的なものであっても、事故であったとしても、問題はないのだ。
「次に、園山赤音の事件。あの部屋にあった屍体は“伊吹かなみ”のものです。
部屋に閉じ込められていた園山赤音は、“伊吹かなみ”の屍体を使って、窓から脱出しました。
園山赤音の身体能力は人並み以上ですから、問題はなかったと思います」
「物的証拠は?」
「ありませんよ、もちろん」
証拠の類なんて、最初から探してなんかいない。
はっきりいってしまえば、動機だってわからない。
ただ、状況から推測されることはこれだけ。
「物的証拠・動機その他諸々には目をつぶっていただきたいです」
「でもそれでは、本当に犯人がそうなのか、というのはわからないわよ」
「それでも、イリアさんには犯人を警察へ入れるような気はないでしょう?」
「……」
「だったら、問題はないと思います。
ここにいる人は、『犯人』と『被害者にならなかった人』なのですから」
◆◇◆
帰りのクルーザーの中にて。
イリアさん所有の島から帰るのに、いーちゃんと友さんも一緒だった。
くわえていうなら班田玲さんも一緒であったが。
「んー……これからどこに行けばいいんだろ」
帰国してすぐに、保護者代わりである提督にこの島に連れてこられた私は、これからどこへすんでいいのかわからない。
もしや、これは近い未来にホームレス兼ニートになるのか!?
「どうしたの、ハルちゃん」
「……いえ、問題はないです」
ホームレスとニートというのは十分に問題だが、人に言えることじゃない。
それに、あの提督のことだ。きっと策は打ってあるに違いない。
……きっと。
「そういえばさ、ハルちゃんはどこに住んでるの?」
いきなりクリティカルヒットな質問がきた。
「え、ええと……この間帰国したばかりで、まだ家は……」
「ふぅん。どの県に住もうかとか考えてなかったの?」
「ええ、まあ……」
県って・・・・・47個もあるんだった!
そのどこかに提督がいるにしても、探し出すのは容易ではない。
「そっか。なら、京都に来たら?」
思わぬお誘いである。
京都といえば古都。
日本の昔の都で、外国にいたときにも何度か名前を聞いたことがある。
「でも、保護者がなんていうか……」
「そっか。保護者の下にまだいたんだね」
「いーちゃんは?」
「ぼくは大学生だからね。一人暮らしさ」
そういえば、学校とかどうなっているんだろう。
徐々に自分の未来が心配になってきた。
「京都、京都かあ……」
今の時期行ったら暑いかな。
盆地だから、夏暑くて冬寒いというのを聞いたことがある。
暑かったら、イヤだなあ……日本の夏は湿気が多くて不快だと言われている。
「そういえばいーちゃん。聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「なんだい?」
「もし、あの屍体が、“伊吹かなみ”のものではなく“園山赤音”のものだったら、どうしますか?」
「どういうことかな?」
「あの二人が入れ替わりをしていたとしたら、ってことですよ」
「そうだなあ……考えたくないね」
「私たちは大きな見落としをしていました。
殺人事件には、必ず殺された人がいる……それはわたし達の思い込みであり、犯人の狙いでもあったのです」
「……」
本当に、面白い話である。
二人殺されたかのように見せかけておいて、実際に死んだのが一人だけだなんて。
そこまでいえば、イリアさんもわかったらしい。
「リサイクル、ですね」
お嬢様がそんな言葉を知っていたなんて驚きだ。
というのはお金持ちへの差別だろうか。
「正鵠を射ていますね、その言葉は。
まず、クビキリ屍体を一つ用意します。
事件を起こして、それが殺された人そのものであるかのように偽装します。
そして、その死体を回収します。この回収作業の時には、なるべく綺麗な状態で回収することが条件ですね。
次に、その死体を処理します。このときには、自分がその作業を中心的に行い、いつでも使えるようにしなければなりませんね。
最後に事件を起こします。
このときの被害者と認識されるように偽装します。
そうしたら、一つのクビキリ屍体は用無しです。
利点として挙げられること、それは……」
「自分が犯人でないことの証明」
いーちゃんがいう。
まったく、自分は説明を放棄したくせにいいところをかっさらってくんだから。
「誰も、殺された人間が犯人だとは思わないでしょう?
実は生きていた……なんていうのは、ミステリー小説ではよくある話ですが、実際にはあまりないことです。
クリスティーの有名な小説では、この方法がとられていましたが」
最初に、わたしがあげた話。
その辺からもう伏線になっていたのだろうか。
それとも自分の勘が冴え渡っていたということか。
「二つ目の密室で見つかった屍体は、皆さんがご想像の通り、“園山赤音”のものではなく“伊吹かなみ”のものです」
驚きの声は、ない。
ここまで前置きがあれば、この結論は当然のコトだろう。
「共犯が逆木深夜ということは“伊吹かなみ”の殺害された時間についても、問題はないものと思われます。
“伊吹かなみ”が殺されたと思われていた時間に、殺されている必要がないのですから。
地震があった後まで“伊吹かなみ”が生きていたという証明にはなりません。
声を聞いたと思われていた人物が共犯では、それは事実とは認定できないでしょう?」
“伊吹かなみ”が地震の前に死んでいても問題がないことになる。
あのペンキの川がどうできたかなんて問題はない。
あれが人為的なものであっても、事故であったとしても、問題はないのだ。
「次に、園山赤音の事件。あの部屋にあった屍体は“伊吹かなみ”のものです。
部屋に閉じ込められていた園山赤音は、“伊吹かなみ”の屍体を使って、窓から脱出しました。
園山赤音の身体能力は人並み以上ですから、問題はなかったと思います」
「物的証拠は?」
「ありませんよ、もちろん」
証拠の類なんて、最初から探してなんかいない。
はっきりいってしまえば、動機だってわからない。
ただ、状況から推測されることはこれだけ。
「物的証拠・動機その他諸々には目をつぶっていただきたいです」
「でもそれでは、本当に犯人がそうなのか、というのはわからないわよ」
「それでも、イリアさんには犯人を警察へ入れるような気はないでしょう?」
「……」
「だったら、問題はないと思います。
ここにいる人は、『犯人』と『被害者にならなかった人』なのですから」
◆◇◆
帰りのクルーザーの中にて。
イリアさん所有の島から帰るのに、いーちゃんと友さんも一緒だった。
くわえていうなら班田玲さんも一緒であったが。
「んー……これからどこに行けばいいんだろ」
帰国してすぐに、保護者代わりである提督にこの島に連れてこられた私は、これからどこへすんでいいのかわからない。
もしや、これは近い未来にホームレス兼ニートになるのか!?
「どうしたの、ハルちゃん」
「……いえ、問題はないです」
ホームレスとニートというのは十分に問題だが、人に言えることじゃない。
それに、あの提督のことだ。きっと策は打ってあるに違いない。
……きっと。
「そういえばさ、ハルちゃんはどこに住んでるの?」
いきなりクリティカルヒットな質問がきた。
「え、ええと……この間帰国したばかりで、まだ家は……」
「ふぅん。どの県に住もうかとか考えてなかったの?」
「ええ、まあ……」
県って・・・・・47個もあるんだった!
そのどこかに提督がいるにしても、探し出すのは容易ではない。
「そっか。なら、京都に来たら?」
思わぬお誘いである。
京都といえば古都。
日本の昔の都で、外国にいたときにも何度か名前を聞いたことがある。
「でも、保護者がなんていうか……」
「そっか。保護者の下にまだいたんだね」
「いーちゃんは?」
「ぼくは大学生だからね。一人暮らしさ」
そういえば、学校とかどうなっているんだろう。
徐々に自分の未来が心配になってきた。
「京都、京都かあ……」
今の時期行ったら暑いかな。
盆地だから、夏暑くて冬寒いというのを聞いたことがある。
暑かったら、イヤだなあ……日本の夏は湿気が多くて不快だと言われている。
「そういえばいーちゃん。聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「なんだい?」
「もし、あの屍体が、“伊吹かなみ”のものではなく“園山赤音”のものだったら、どうしますか?」
「どういうことかな?」
「あの二人が入れ替わりをしていたとしたら、ってことですよ」
「そうだなあ……考えたくないね」
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