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ひさしぶりの更新になってしまいました。
今回は前回の時にパスされた咲織さんが書いてくれました! ありがとうございました。誰ができるのかわからないので、こちらこから連絡をいれます。とりあえず次回は僕が書きます。

クビキリ+19話!!

≪ここまでの粗筋~
 遥奈は裏山で園山朱音の遺体を埋めたときには、すべての真相を感じ取り始めていた。
 遥奈はいーちゃんとともに赤神イリアの下をおとずれ、事件を解決することを宣言する。≫


「絶対、ねぇ……」
「どうしたんだい?」
「いえ、世の中に絶対、なんてものは存在しないと思っていたのですが……それ
を自分で使うとは思いませんでした」
「へぇ」
 いーちゃんは無関心そうである。

 関心を寄せるような話でもないのだが。
 今まで百戦百勝してきた人間がいたとしても。百一戦目で必ず勝つとは限らな
い。
 百一戦目の結果には三つの選択肢があり、そのどれもが等しい確率なのである

 勝つ、負ける、引き分け。
 百戦目の結果がどうのとか、それがわかるのは未来が読める人だけであろう。
「真姫さんって……一種類の未来しか見ていないんでしょうか」

◆◇◆

 逆木深夜が私を殺そうとした理由―――不確定要素を取り除くため。
 一人ひとりに役割が与えられていると仮定する。
 観客は、姫菜真姫さん。
 被害者は、伊吹かなみさん、園山赤音さん。
 探偵役は、玖渚友さん、いーちゃん。
 濡れ衣役がひかりさん。
 被害者候補に佐野弥生さん。
 そして、館の主人・赤神イリアさん。おなじみメイドさんに斑田玲さん、あか
りさん、てる子さん。
 ……そういえば、てる子さんがひかりさんたちと同じように働いていることを
一度もみたことがない。
 もしかしたら、何か関係があるかもしれない。

 話を戻そう。
 共犯者として逆木深夜。
 そして、何の役も無い私・永久咲遥奈。
 逆木深夜が共犯者だとすると、伊吹かなみの死に関する前提条件が崩れること
になる。
 地震のあった時点で、伊吹かなみが生きているという条件が。
「そもそも、あれは本当に伊吹かなみだったのでしょうか」
「ハルちゃん?」
「最初からずっと気になっていたんですよ。ほら、最初に質問したじゃないです
か、私」
『あれは・・・本当にかなみさんでしたか?』
 私が、最初のアリバイ調査で質問したことだ。
 それから、赤音さんのときにも思ったのだ。『本当に園山赤音だったか』と。
 もし、あの二つの屍体が別人のものだったら、全ての条件がひっくり返ってし
まう。
 そもそも、考えようによっては、屍体は二つある必要はないのだ。
 リサイクルしてしまえば、何度でも人が死んだように見せかけることは出来る

 なにせ、ここに様々な天才はいようとも、医者・生物学関連の人間はいないの
だから。
「ハルちゃん? どうしてそんなに怖い表情をしているんだい?」
「へ?」
 いーちゃんに話しかけられ、驚いていーちゃんを見返す。
「どうしてそんなに怖い表情をしているんだい?」
「……そんな表情、していましたか?」
「うん」
 思った以上に考え込んでしまっていたらしい。
「えっとですね……、まぁいいや。いーちゃんはもう事件の真相はわかりました
か?」
「まぁね。ハルちゃんは?」
「大体、というところでしょうか」
 イリアさんに絶対解決する、といったからには意地でも正解をしなければなら
ないのだが、この場合の正解の判断は誰が下すのだろうか。
 真姫さんは観客だから、判断を下す立場ではない。だとしたら、真犯人、が下
すのだろう。
「答え合わせ、してみますか?」
「それにはまだ条件が足りないんだよ。あと一つ、これまでの何かを崩すものが
あれば……」
 それは私も同じだった。

・逆木深夜共犯説、逆木深夜犯人説。
・赤神イリア犯人メイド共犯説。(この場合、メイドが犯人だとしても、赤神イリ
アは何らかの形で関わっていると思われる)
・姫菜真姫犯人説。だが、この可能性は低い。零に限りなく近い数字、だと思わ
れる。
・意外なところで弥生さん犯人説。包丁さばきを考えれば、クビキリ屍体を作る
のがたやすいのではないだろうか。
 もっともその場合私たちはそのクビキリに使われた包丁で調理されているかも
しれない食べ物を食べているかもしれないという可能性もあるのだ。とてつもな
く嫌だ。
 
 私の中でありえないのは、友さん、いーちゃん、ひかりさん犯人・共犯説。
 この三人を疑うことはできない。いや、しない。してはいけない。
 新たな条件がない限り、これ以上の答えは出てきそうになかった。
 ただ、私には一つだけ、私を除いて2人しかしらない出来事がある。
 “逆木深夜が私を襲った”という事実。
 このことをかんがみれば、『逆木深夜犯人もしくは共犯』説が有力である。
 そうすればかなみさんの事件は密室でもなんでもなくなる。
 だが、それでも第二の事件は密室状態。さらに、パソコンを壊された時は誰も
手出しが出来ない状態だった。
「あー……こう、なにか新しい事実はないですかね?
 私、“解決できない”という結果になるのだけは嫌なんですよ」
「なんでだい?」
「だって、イリアさんにあれだけ言っちゃったじゃないですか。むー……」
 ひかりさんが淹れてくれた紅茶を見つめながら、考える。
 先ほどから考えてばかりである。
「“解決できない”も一つの結果、か」
「いーちゃん?」
「いや、面白いことを言うと思ってね。事件は全て解決するものだと思っていた
けれど、そういう見方もあるのかな、って」
「どんなに優れた探偵であろうとも、事件を解決するに至る決定的な証拠が無け
れば解決できませんよ。
 もっとも、これは私が以前読んだ本に出てきただけですけど」
 ミステリー小説では、どんな形であれ事件は必ず名探偵によって解決される。
 それは、重要な証拠とかそれらが見つかるからである。
「プラマイゼロの法則、かー……」
 だとしたら、そろそろ何かが現れるはずである。
 人が死んで、さらにパソコンを壊され、そして私自身襲われた。
 それらをマイナスと考えれば、プラスがくるはず。

 そのとき、部屋をノックする音が聞こえた。
「きっと、事件解決への糸口となる……といいな」
 警戒しつつも期待を持つ。
 ドアの前に立ち、返事をする。
「はい、どちら様でしょうか」
 ドアノブへ、手をかけた。

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