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針山さんのなんたる早業!
速攻で続編を書いてくれたので、こちらも急いでアップです。

針山さん、ぐっジョブ!
日原さん、よろしくお願いします!

ではでは!

みやこフォックス009!




「ちょ、先輩!本当にどうするんですか!?」
 鳴り響く鈴の音に混じり、ピシピシという嫌な音も聞こえ始めてきた。
 まさか…結界が破れそうなのか!?
 事態は一刻の猶予も残されていないという状況の中、それでも宿木先輩は凛然と、場違いとでも言うような、いや、それはこの場に相応しい姿の宿木都子とでも言うような佇まいで、落ち着きを払って僕の真向かいに座った。
 今や鈴の音に圧迫感さえある異常と呼べる空間の中、宿木都子は、僕の問いに答える。
「さあ阿良々木。お前の力でなんとかするんだ!」
「僕ですか!?」
「きっとお前には古より伝わってきてる感じの力があるといいなと私は思った!」
「先輩の願望じゃないですか!」
 ダメダメだった。ダメダメの他人任せだった。
 もうこのシリーズも終わりかもしれない。今まで出会った怪異の中で、断トツにマズイ状況と言っても過言ではないのだが、何故だかそんな気がしないのは宿木先輩がいるからだろうか。その宿木先輩に至っても、今現在何の頼りにもならないのだけれど…。
「宿木先輩、その封印する為の仕掛けって、どんなの何ですか?」
「ん?何、簡単な事だよ阿良々木。私たちが相対している相手をよく考えれば、容易に想像付くものだ」
 僕達が相対しているモノ…それは、狐だ。
 しかも、ただの狐じゃあ、ない。
 山の神。
 この怪異の本質は、神なのだ。
 その神を、宿木先輩もとい宿木一族が封印しえていた理由は…。
「ッ!殺生石!」
「違う!馬鹿者!」
 僕が会心の答えに辿り着いたと思しき回答は、即座に否定された。
 しかも馬鹿者って…結構言われると傷つく言葉だ…。
 しかし殺生石が違うとなると、なんなんだ?
 まさか狐だけに油揚げとかなわけないだろうし…。
「宿木先輩…まさか、油揚げ、ですか…?」
「阿良々木は本当に馬鹿か?油揚げを常に肌身離さず持っていたら腐るだろうが!」
「い、いやまあそうかもしれませんが…あれ?油揚げって腐るんですか?
「く、腐るに決まっているだろう!そんなの巫女の間では一般常識だ!」
 随分とコアな一般常識だった。
 それにしても、本当に何なのだろう?
「だったら何なんですか?」
「相手はただの怪異じゃない事くらい、お馬鹿な阿良々木でも解るはずだ」
 お馬鹿って…いやでも、確かに何か解らない状態の僕ではそう言われても仕方ないんだけれど…。
「そう、この怪異に対して、我が宿木家が今まで封印、鎮めてこれたものとは…」


「美少女だ!」


 僕は手加減なしに宿木先輩の頭を叩いた。
 一応女の子だから平手で。
 それでも叩いた僕の手が、ジンジンと痛くなる位の強さで。
 宿木先輩は叩かれた勢いで床に頭をぶつけていた。
 リーンと、宿木先輩の頭に付いている鈴が綺麗に鳴る。
「いっっったぁぁぁぁ!!何するんだ阿良々木!本当に痛かったぞ!!」
「アンタはいつまで遊んでるんだあ!!!」
 涙目で頭とおでこを抑えながら抗議し睨んでくるが、僕は無視して辺りを見回す。未だ鈴は鳴り続け、ピシピシと嫌な音の感覚が早くなってきてるように感じられる。
 本当は、アンタは美少女を肌身離さず持っていたのかと突っ込みたいところだったけど、多分突っ込んだら負けだ。
 今は負けたくないから突っ込まないことにした。
 逃げるが勝ち、だ。
 いつまでも痛そうに、頭を撫でている宿木先輩に向かって、僕は再度問う。
「本当に、本当の本当に、この怪異を封印できるものって、何なんですか?」
「だから美…」
「だからアンタは美少女を肌身離さず持ってんのかぁぁぁ!!!」
 突っ込んでしまった。
 僕は甘く見ていたのだろう。とても逃げ切れる相手じゃない。
「相手が美少女ならそうするのが人というものだろう!!」
「そんな人は宿木先輩だけです!」
 というか変態だ。
 宿木先輩は変態だった。
「例え変態でもそれで美少女とずっと居られるなら本望だ!」
「なっ!?」
 凄い事言いやがった。というか僕の周りには普通の女の子がいないのか!?
 なんだってこんな百合の匂いが濃いんだ!
 そんな事を言い合っていると、ベット寝ている八九寺が、身動ぎする。
 そういえば八九寺、こんなに鈴の音が鳴っている中で寝られるっていうのも凄いな…。
 僕が八九寺に眼を向けると、宿木先輩も僕の視線を追うように、八九寺に眼を向ける。
「まあ、実際本当のところ、この怪異を封印するために必要なのは、そこの美少女なんだがな」
「また先輩はそうやって…」
 僕が何か言おうと先輩を見ると、先輩は物凄く真面目な顔で、八九寺を見ていた。
 まさか、本当に八九寺が…?いや、油断してはいけない。宿木先輩は真面目な顔でとんでもないことを平然とするのだから。
「いやいや阿良々木、実際問題、私はその美少女を探していたんだぞ。まあより詳しく言うなら、そこの美少女が持っている――憑いている、モノ。というべきかもしれないがな」 
 そう言って、宿木先輩は八九寺を見つめ、囁くように言う。
 とても、残念そうに。
「何の因果か、その美少女の本質に憑いてしまった、殺生石に、な」

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COMMENT : 無題
 遅くなってしまいましたが、送りましたですよー。
日原武仁 2007-12-18(Tue)05:12:47
COMMENT : 無題
がんばれ日原さん! ていうか本当にどうにかしてください! そしてなるべくソフトにまわしてください!
ナギ×ナギ 2007-12-11(Tue)12:47:44
COMMENT : 無題
ふふふ、前回大幅にやってしまいましたからね^^;
日原さんの楽しみにしてます♪
針山 URL 2007-12-07(Fri)16:39:42
COMMENT : 無題
だー! お二方早すぎなのですよー!? ……がんばりますです!
日原武仁 2007-12-07(Fri)00:32:43
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